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*学校生活のお約束七題*
2.無駄に朗読が上手い奴
綺麗な言葉というのはどういうものなのか、山本はときどきそう考えることがある。
一日の大半は野球のことを考えて過ごすのだか、エアポケットのような時間を見つけてはそんなことを思うのだ。
月光という言葉が好きだった。神秘的で綺麗な言葉だと思う。だけど、或る日たまたまその言葉を口にした時、“げっこう”という言葉が空中に拡散されて、ひどく貧弱な音に聞こえた。今まで自分の中でキラキラと輝いていたのに、とても陳腐なものへと腐敗してしまったように感じたのだ。それどころか今までどこか怖くて敬遠していた“ハンプティー・ダンプティー”の方がよっぽど良い響きで、耳から体の中へと澄み渡っていった。
それから、山本は本当に綺麗な言葉なんて口にしてみないとわからないものだと実感した。
母音、子音、の羅列でこんなにも響きが変わってくる。山本は考えるのは苦手な方だ。考えているうちにいつも行き詰って、最後には違うところへと思考を飛ばすのだった。
そして、今日も何気なくそのことについて考えていたら、ふと鈴を転がしたような綺麗な音が耳に届いた。
「 あっ 」
母音。幼稚園で一番最初に習った書いた文字。
自分の下で体を火照らせた雲雀の喘ぎ声だった。
「・・・すっげえ、いい声」
山本は驚いて目をまるく見開いた。
たった今、願っていた言葉に適うものが自分の鼓膜を揺さぶった。確信はないが、今まで探していた答えが目の前にあるのだ。形をなしていなかったものが、今輪郭を持って自分の手の届く場所に存在している。
口元をゆるませ、雲雀の中に入れていた指を引き抜いた。
そして、もう一度確かめたくて、雲雀の足を開いて膨らんだ性器を埋め込んだ。痛くないようゆっくりと。
「・・・雲雀・・全部、入ったよ」
そう雲雀の耳元で囁きながら、顔を隠している腕を掴んで布団に縫い付けた。
頬を赤く染めた雲雀に優しく微笑んで、うっすらと涙を浮かべせた目もとにキスをした。
「なあ、雲雀・・・声だして」
その言葉を発した男を雲雀は鋭く睨みつけられたが、山本はそれをなんでもないようにかわし、腰を動かしはじめた。良いところをさぐるように抜き差しを繰り返す。
「・・・くぅっ」
下唇を噛んで必死に声を押し殺している雲雀の口はしからくぐもった声が上がる。
「・・・っん」
違う、この音じゃない。
体重をかけて結合をより深める。
圧迫されて苦しいのか、眉を歪め、首をふるふると横に振った。その姿が可愛くて頭をぽんと撫でた。
ごめんな、こっちだって必死なんだ。
それから角度を変えて、思いっきり奥をつく。その瞬間、雲雀の体がびくりと大きく反り返った。
「・・・っああ!」
嬌声を上げて、芯が抜けたようにベッドに寝そべった。荒い呼吸を繰り返すその体を優しく撫でる。
やっと聞けた。
そっか、この母音が世界で一番綺麗な音なんだ。これが答えだ。
その感動と共に、雲雀の中に射精した。
独特な臭いに囲まれながら、音楽の授業みたいな発声練習をする。あー、あー。違う、この響きじゃない。山本が喉を押さえて首をかしげていると、 「何してるの?」と雲雀が尋ねてきた。いつもより少し低めの綺麗なテノールで。
大事なのは譜面じゃなくて楽器なのか。
言葉よりも声。
限りなく正解に近付いたこの答えが確信へと変わるその最後の問題。
高揚して、鼓動が速くなるのを感じながら、とびっきりの笑顔で聞いた。
「なあなあ、雲雀って音読すげーだろ?」
「・・・さあね」
あ、鈴が転がった。
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初のお題です!
若干お題からずれましたね。まあいいや,リハビリだから。
何か私の書く山本はへタレになってしまいます。
2009.4.13
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